陶器

陶器のお取り扱いについて

陶器は、吸水性のある土に釉薬をかけて焼いた、やわらかな肌ざわりの焼き物です。永くお使いお楽しみいただく為に、以下の点に注意してご使用ください。

陶器の主な手法・技法について

《粉引》

鉄分の少ない白色土で化粧掛けし、透明釉を掛けて焼成したものです。透水性がある為、使い込むほどに「雨漏り」という濃淡のあるしみができるのが特徴です。それが趣となり、昔から茶人など多くの人に愛されてきました。ぽってりと温かみのある表情に、素朴な味わいがあります。

《貫入》

素地と釉薬の収縮率の違いから生じる、釉面に現れたひびのことをいいます。陶器に貫入がある場合、使うほどに食べ物の汁などが染み込んで、景色がよくなります。

《焼き締め》

土を練って作った陶器を、釉薬を掛けずに900~1400度の高温で硬く焼き締めた、土そのものの素朴な風合いが特徴の器です。

ご使用いただく前に…

  • ・お料理を盛る前に、器に水分を含ませて軽く拭いてからお使いいただくと、茶渋・しみ等がつきにくくなります。
  • ・更に汚れをつきにくくする為には、初めてお使いになる前に、洗った器を鍋に入れ、器が隠れるくらいの米の研ぎ汁を入れて弱火で約10分程煮沸した後、鍋に浸けたままゆっくり冷ましてよく洗い乾かします。器の焼きが締まり、目が締まって汚れが浸透しにくくなります。
  • (但し、急須の取っ手などに竹や真鍮等の異素材を使っているものは、その部分を外していただくか、異素材部分がお湯に浸からないようにして煮沸してください。)
  • ・電子レンジ・オーブン・直火のご使用はお避けください。
  • ※陶器を水に浸けると、斑点のような模様が出て色が変わることがありますが、これは、土に水がしみこむ為で、乾くとなくなります。品質に問題はございません。

ご使用後は…

  • ・醤油・塩分・油分・酸味などの強い食品を長時間入れたままご使用になりますと、貫入に浸透し、しみ・臭い・べとつきの原因になります。ご使用後の浸け置きは避け、すぐに台所用洗剤で水洗いし、よく乾燥させてから収納してください。 吸水性がある為、乾燥不十分のままにしておきますと、カビ・しみ・臭い発生の原因となります。
  • ・食器洗浄機のご使用はお避けください。変色・ひび・破損の原因になることがあります。

陶器に対するご理解とお願い

陶器は吸水性があり、同じ技法を用いても、その日の気候、土や釉薬の中に含まれる天然鉱物などの影響で、焼き上がりは微妙に異なります。これは、陶器の魅力であり特性です。また、大切に使ってお手入れしていても、使い込むほどにしみやひびがでてきてしまうのも特徴のひとつです。徐々に変化していくこの表情も、器の趣として育て、風合いを永くお楽しみください。