BORDALLO PINHEIRO( ボルダロ・ピニェイロ) は、ポルトガルで130 年以上に渡る歴史をもつ老舗陶磁器メーカーです。
設立者のRaphael Bordallo Pinheiro(ラファエロ・ボルダロ・ピニェイロ)は、その絵画・風刺画・陶器製作により
ポルトガル文化において最も重要な人物の一人とされています。
1884 年の創業以来、当初の感性と想い、そして、熟練の職人の技を引き継ぎ、様々なモダンなスタイルと創造性、
ユーモアを兼ね揃えた唯一無二の世界感で器を作り続けています。
Madu でも2013 年からこのボルダロ・ピニェイロの器をご紹介していますが、
アジアマーケット担当のパウロさんが来日された際に、「ぜひ工場にお越しください。」とお誘いくださり、
ついに今年の始めに工場とショールームを訪ねて来ました。


当日は、リスボンのホテルまで、
パウロさんが車で迎えに来てくださるのを
眠い目をこすりながら待ちました。
朝の7 時出発です。
目指すは、同社の工場がある、
カルダス・ダ・ライーニャ。
リスボンから北へ約82 キロ、高速ドライブです。
( ポルトガルに来るといつも
「超」高速ドライブでやや怖いです!?)
カルダス・ダ・ライーニャは、
温泉と陶器産地として知られる緑多い長閑な地域。
ここに、135 年の歴史を持つ
ボルダロ・ピニェイロ社があります。



では早速、工場にお邪魔してみましょう。ポルトガルで訪ねた工場はどこも、とても綺麗に整頓され、
そして、量産体制を整えるべく、新しい機械なども投入されていて、陶器産地としての活気が感じられます。



ボルダロ・ピニェイロ社も然り。 絵画のように繊細に色付けされる行程は熟練の職人さんが、
乾燥や焼成の行程は機械がオートメーションで進めていく、進化し続ける老舗です。


工場を拝見した後は、綺麗なショールームでオーダー作業です。
同社を直接訪ねたのは、お誘いいただいたから、だけではありません。
同社商品の特徴でもあるその素晴らしい立体表現と鮮やかな色彩は、
工芸作品として目を楽しませてくれるのですが、
我々日本人の食卓には、ちょっとドラマチック過ぎることも多く・・・
日本の食生活や日常的に使う器とも馴染むような色味やサイズを考え、変更を依頼し
Madu のお客様により喜んでいただける器づくりを目指して、
サンプルのと資料の豊富に揃った同社にお邪魔したのでした。
この形はこの色に、これはこっちの小さいサイズの方が使いやすいかな・・・
何型も何型も繰り返し検討&決断。根気の要る作業ですが、
仕上がりを想像しながらワクワクする時間でもあります。




納得行くセレクションが出来て、ホッとして外に出ると、もう夕方になっていました。


仕上がった商品は、箱詰めされ、
大きなトラックで港に運ばれ、海を越え、
何か月もの時を経て、Madu にやって来るのです。

パウロさん、一日ありがとうございました。
本当は、Madu の店頭に商品が並んだ所を見に、ぜひまた来日していただきたいですが、今は叶いませんね。
またいつかお互いの国を気軽に行き来できる日が来ることを願って、
今は、ポルトガルの器でお料理を楽しみながら、その日を楽しみに待ちたいと思います。

パウロ氏

街中でも良く飾られているのを見かける同社製品。


