暮らしの道具・使い方レシピ vol.2 電子レンジで使えますか

Madu 商品企画バイヤーが、国内外の様々な地域で様々な作り手さんと出会い、
生活雑貨と出会い、そして自身でも使ってきた暮らしの道具について
自身の言葉で、友人とおしゃべりする気持ちで綴る「暮らしの道具・使い方レシピ」シリーズ。

2回目の今回は、お客様から一番多くいただく質問、
「この器、電子レンジで使えますか?」について書きたいと思います。

お客様からいただく器に関する質問で一番多いのが

「電子レンジで使えますか?」

です。

電子レンジで調理するレシピもとても人気ですし、
忙しい朝、身仕度を整えている間に
飲み物を温めておいてくれたりと、
電子レンジは台所で欠かせないアイテムになっています。

電子レンジで使えるマグカップ

さて、ここでは、友達とお喋りするように語る、と決めましたから、
取り扱い説明書には書かないことも正直に...

問い:「陶器って電子レンジで使えるの?」

答え:「使えるっちゃあ使える。でも、出来れば使わないで!」

あ、いきなり乱暴な発言をしましたが、もちろん電子レンジ使用可能な器、たくさん取り揃えておりますのでご安心を。

私のどっちつかずの叫びの真意は、後ほどご説明するとして、
先ずは「器」にはどんな種類があるか、からご紹介します。

*ここに挙げるのは代表的なもので、Maduでも取り扱いの多いものになります。

素材の種類(電子レンジとの相性)・陶器(×基本的にはNGですが、土の種類や焼成方法によっては使えるものもあります。)・半磁器(△種類により使えるものと使えないものがあります。)・磁器:(◎金銀彩や色絵等の上絵装飾が無ければ基本的に使えます。) ・炻器(◎金銀彩や色絵等の上絵装飾が無ければ基本的に使えます。)

基本的には陶器は電子レンジには使えないとされていますが、
お客様からの問い合わせが年々増えたため、
窯やメーカーさんも研究を重ねて、電子レンジや食器洗浄機を使える器も多く生産されるようになりました。

Maduでも、電子レンジや食器洗浄機をご使用いただける器には、表示シールを貼付してご案内しています。

が、
これを貼るときに少々の複雑な思い。

使えるけど、
使わないで済むなら使わないでくれたら嬉しいな・・。

電子レンジ・食器洗浄機OK

電子レンジはご存知の通り、
マイクロ波が食品に含まれている水の分子などを振動させて温めます。

つまり、器が吸収した水分も同様に温められるということ。(吸水性のない磁器がレンジ使用に向いているのはこのためです。)
しかも急速に温度が上昇します。
水分は温まると膨張し、冷めると収縮します。電子レンジにかけるたびにこの膨張と収縮が繰り返される訳です。
器がすぐに割れたりすることは無くても、劣化の足を早める原因にはなってしまいます。

よって、前述の答え、
「できれば使わないで!」をもう少し丁寧に言うと、

「せっかく出会えたお気に入りの器。
永く楽しんで欲しいから、
なるべく器に疲労を与えないであげて欲しいな。」

ということです。

電子レンジ可能マグカップ

とは言え、文明の利器を味方につけて、日々を軽やかに生きたいのだ!と、いう方は、
商品に貼付したシールをご確認いただいたり、スタッフにお問い合わせいただけましたら、
「電子レンジ使用可」の器をご確認いただけますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

但し、電子レンジ使用可、と書かれた器でも、
冷蔵庫に入れておいたものを、急に温めるのは、割れの原因になりますので厳禁。
加熱後すぐに冷たい水に浸したりするのも同様の理由で厳禁ですのでご注意ください。

食器:左
食器:右

最後に。
素材の特徴の問題からは話が反れますし、私の個人的な思いですが、
私自身が器を電子レンジ使用しないもう一つの理由は、
器はあくまでもお料理を盛り付ける「食器」であって、「調理器具」ではない、ということ。

電子レンジ調理用のトレーやボウル、耐熱の器などを用意して安心して調理した後、お気に入りの器に盛り付けて食べる。
器が大好きだからこそ、台所ではなく、食卓で活躍して欲しいな、と思っています。

これもまた、私が削りたくない、「手間暇」の一つです。

でも同時に、「電子レンジで使えると嬉しい!」と、
お客様の暮らしに便利さをご提供出来ることも私たちの喜びであり・・・。

いつもYES・NOですっきりお答え出来ない、もどかしい問答なのでした。



次回は、木製品のお手入れ、について書きたいと思いますので
どうぞお楽しみに。

食器棚