暮らしの道具・使い方レシピ vol.5 土鍋って使うの億劫?

Madu 商品企画バイヤーが、国内外の様々な地域で様々な作り手さんと出会い、
生活雑貨と出会い、そして自身でも使ってきた暮らしの道具について
自身の言葉で、友人とおしゃべりする気持ちで綴る「暮らしの道具・使い方レシピ」シリーズ。

今回は、これからの季節に注目度のあがる
「土鍋」について書きたいと思います。

鍋料理

「これからの季節に注目度のあがる」

と書きましたが、
我が家では一年中土鍋が棚奥に仕舞われることなく、
台所でせっせと働いてくれています。

いわゆる冬に皆で囲む「鍋料理」だけでなく、
他にどんな風に使っているのかも
ご紹介したいと思いますが、
この冬初めて土鍋を買われるという方のために、
先ずは、基本的なお手入れの方法から・・・。

土鍋を使いこなすの、ハードル高いな、と、
二の足を踏んでいる方、
そんなことないですよ、基本を押さえればあとは簡単です。

土鍋を買ったら最初にすること

聞いた事のある方もいらっしゃるかもしれませんが、
土鍋の使い始めにはまず「目止め」が必要です。
「目止め」とは、耐熱性の高い粗土を使用した
土鍋表層の細かい気孔を埋め、水漏れを防ぐために行う、
「お粥炊き」のことです。

特に伊賀土鍋は粗土を使用しているので、
米の研ぎ汁ではなく、
残りごはんでお粥を炊いて目止めをします。

目止めのために作ったお粥は、もちろん食べられますので、
きちんと土鍋の内側を洗ってからスタートしてくださいね。
その場合は洗剤は使わずに!

*洗う時に裏底に水がついたら、きちんと拭いてからスタート!

土鍋の取り扱い

さて、準備が整ったら早速土鍋料理を楽しみましょう!

使うときに気を付けること

  • 外側が濡れたまま火にかけない

    どうしても洗ってすぐに使いたい時は、良く拭いてください。裏底がびしょびしょに濡れていなければ大丈夫です。

  • 熱い土鍋を急冷しない

    これは陶器や硝子と一緒ですね。急激な温度変化は割れの原因になります。

  • 揚げ物調理に使わない

    揚げ物には絶対に使用しないでください。火事になる恐れがあり、大変危険です。

  • 残った料理を入れっぱなしにしない

    土鍋は吸水性があるので、長時間汁気のものを入れておくと、そのまま土鍋からにじみ出てくることも。
    また、目詰まりやカビ、臭いの原因にもなりますので、別容器に移すことをおすすめします。

ではここで、我が家で、いわゆる卓上鍋メニュー以外のどんなシーンで
土鍋を使っているかをご紹介したいと思います。

さつま芋
ぶり大根
鍋焼きうどん
スープ
お粥

洋風メニューのホームパーティーにだって
登場させちゃいます。

保温性が高いので、
卓上コンロなどを使わなくても、
長く温かく食べられるのが嬉しいのです。

普段の夕飯でも、
冷めて欲しくないお料理は
土鍋で作ってそのまま食卓へ。

洋食メニュー
普段の夕食
普段の夕食

さて、ここまで日常的に土鍋を使っているということは、
はい、我が家の土鍋、なかなか味が出ています。

土鍋の底

土鍋の寿命は、使用頻度や環境、
お手入れ具合によって変わるので、
一概には言えませんが、
因みに我が家の土鍋 (写真右)は、
約 20 年ほどでヒビ部分から汁が漏れ出し、
最終的にバカっと割れました。

私としては非常に満足ですが、
上手に使って 30 年もっている、という人も
いますから、
日々のお手入れ方法は、
おさえておきたいポイントですね。

土鍋のお手入れ方法

  • 土鍋を洗う

    スポンジやタワシと中性洗剤を使って洗います。ただし、洗剤を入れたまま長時間浸け置きしないでください。
    ごはんを炊いた後など、時々焦げが残ることがあります。
    その場合は熱めの湯を入れ、しばらく置いてから洗ってください。

  • しっかりと乾燥させる

    洗った後はよく拭いて、鍋の底面を上にして風通しの良いところで十分に乾燥させます。
    乾燥が不十分のまま収納すると目詰まりやカビの原因になります。

  • 湿気の少ない場所で保管する

    蓋と本体を直に重ねるとカビの原因になりますので、間に新聞紙等をはさみ、蓋を返して重ねます。
    長期間保管する場合は、土鍋を十分乾かし、新聞紙で蓋と本体を別々に包みます。
    蓋は返して本体に重ね、通気性の良いところで保管してください。
    シンク下は湿気を含みやすいので、土鍋を収納するとカビが発生しやすく、
    カビ臭の原因にもなりますのでおすすめしません。
    (大きな土鍋をしばらく使わない時、私はなんと、2 ~ 3 日天日干しした後、クローゼットにしまっています!
    ※我が家ではここが安心。家により異なると思われます。)

  • 臭いが気になったら

    カビやお料理の臭いが付いて気になったら、鍋の八分目まで水を入れ、大さじ 3 杯程度のお酢を加えます。
    火にかけ沸騰したら弱火で 10 分程度煮立て、火を止めます。冷めたら水を捨てて洗い、良く乾かします。

いかがでしょう?保管方法に少し手間を感じますか?
一番楽ちんなのは(ともするとズボラ)、日々使って、土鍋が常に台所の表に出ている状態にする!ことです。
我が家はこの方法なので、乾燥や収納に神経質にならずに、気楽に楽しんでおります。
みなさんの日々の食卓にもぜひ、土鍋が仲間入りしますように。

次回は、漆器、について書きたいと思いますので
どうぞお楽しみに。