暮らしの道具・使い方レシピ vol.6 漆器って「特別」な器?

Madu 商品企画バイヤーが、国内外の様々な地域で様々な作り手さんと出会い、
生活雑貨と出会い、そして自身でも使ってきた暮らしの道具について
自身の言葉で、友人とおしゃべりする気持ちで綴る「暮らしの道具・使い方レシピ」シリーズ。

今回は、「伝統的工芸品」という名前が付いて、ちょっと敷居が高くなっているかもしれない、
漆器についてお話します。

私も若いころは持っていたんです。
漆器って、例えば親や祖父母くらい年齢を重ねた人たちが、
お正月や特別な機会に使う器だというイメージ。

ところが、南青山の裏路地に出来たテーブルウェアのお店には、
色とりどりの国内外から集められた器と一緒に、漆の器も並んでいたんです。

そう、オープン当時の Madu です。

その後すぐにこのお店で働き始めることになるのですが、
数日毎に変えられるテーブルセッティング提案には、
陶磁器やグラス、時には洋食器も、
垣根無く並んでいるのを見ているうちに、
私の中でも少しずつ「漆器」が身近なものになっていきました。

私が初めて自分の意志で買った「漆器」。

そしていよいよ、自分でも使ってみることに。
それまでは母の手伝い程度だったお節料理を、自分で作るようになり、
先ずはお重から、20代、漆器ライフのスタートです。

最初は恐る恐るだったのですが、使ってみるとその丈夫さに気づきます。

漆器とお正月料理
漆器とお正月料理

いくつかのことに気を付ければ、案外気楽に使えるのだと分かってからは、
使う頻度も機会もどんどん増えていきました。

酒の肴も。
お花見のお供に。
おやつの時間に。
朝ごはんの盆も漆塗り。
行楽弁当にも。

こんな感じで、日々、どこかのタイミングで、漆器を気軽に登場させています。
木に漆を塗ると、主成分ウルシオールが酵素の働きにより硬化し、堅牢な膜ができます。
漆器は酸性にもアルカリ性にも、アルコールにも強く、唐揚げ等の油ものでも大丈夫なので、
かなり色々なお料理に使うことができるのです。
気を付けたい点は、他の天然素材のテーブルウェアと、あまり変わらないかもしれません。

漆器の取り扱いについて

さて、ではその気を付けたい「いくつかのこと」について、確認しておきましょう。

漆器
漆器
漆器
漆器の取り扱い方法
漆器と甘味

長時間の浸水が苦手、ではあるのですが、乾燥を嫌う性質もあるので、
日々使い、洗い、適度に水分に触れることが、実はなによりのお手入れになるのです。
と聞いたら、大事に仕舞っておかないで、日々使いたくなります。

あと、最近思うんですが、お子さんやご年配の方で、握力や腕力が弱い方にも、
軽くて持ちやすい木製食器や漆器はおすすめだな、と。
子供食器や介護食器って、なんだか味わいの無いものが多いですが、
漆の色や木目を楽しめる漆器なら、彩りある食卓を楽しめますよね。

そんなことも、若い頃には思いつきもしなかった、漆器の魅力のひとつです。